「猫を飼って後悔しないか心配…」なんて悩んでいる人に、猫を飼うデメリットをまとめてみました。
私は20年以上にわたり何匹かの猫と過ごしましたが、後悔したことはありません。(別れが非常につらく飼わなければと思ったことは少しある)
ただ、人によってはお世話が大変だったり、出費がかさんで家計が苦しくなることもあります。
必ずしも猫が癒しの存在になるとは限らないため、ここでは具体的にどんなことで苦労するのか、大変なことや出費など、猫を飼う前に知っておきたいデメリットについて説明いたします。
目次
猫を飼うデメリットとは?
私の経験や聞いた話などから、猫を飼うデメリットをまとめました。それらデメリットの対策についても書いたのでご覧ください。
病気した時のお世話が大変で出費も高額になりがち
ペットの診察や治療は高額になりがちです。私が経験した中だと、夜間診察で2万円請求されたことがあります。治療もせず診察しただけで2万円は高すぎですよね。(費用が高いと言われる某有名動物病院)
ちょっと具合が悪くて診てもらうにしても3000円前後かかったり、血液検査なんかしたらプラス5000円は必要です。病気しがちな猫ちゃんだと出費はバカにならないでしょう。
もし大きな病気をしたら手術することだって考えられます。私が経験した中だと「猫の横隔膜ヘルニア」の手術で20万程かかりました。幸い無事に成功しましたが、これで亡くなったとしても20万は返ってきません。
病気のお世話は腎不全の時に経験していて、この時は毎日点滴(1日1000円くらい)を打ち、ご飯もシリンジで食べさせていました。首の後ろに針を刺すのは慣れるまで怖かったですし、猫ちゃんも暴れたりしたので大変だったのをよく覚えています。
ちなみに生涯かかる猫の医療費は30~40万円くらいと言われています。猫の寿命が約15年なので1ヶ月だと2000円前後ですが、健康な時は全く行かないので病気した時の出費が1回1回大きくなります。
猫の飼育費についてはこちらをご覧ください↓
猫を飼うのに月いくら必要?一生にかかる費用や愛猫の飼育費を紹介します。健康な猫ちゃんを飼いたいなら
雑種の方が純血種よりも体が強い傾向にあります。
アニコムの動物白書(2019)によると、雑種(混血種)の平均寿命が15歳に対して、純血種のベンガルは13.5歳、エキゾチックショートヘアに関しては11歳と寿命が短めです。
理由としては、雑種(混血種)は異なる遺伝子を引きついでいるため、遺伝疾患が少なく体が丈夫なのだとか。
純血種でも個体差があるので必ずしも体が弱いわけではないのですが、雑種に比べると病気のリスクはやや高くなります。
猫種別の平均寿命についてはこちら↓
【データあり】長生きする猫の特徴と長寿に向けて絶対に気をつけるべき事!食事や環境でも健康状態は変わってくる
猫の体に合った食事やストレスのない環境を用意することで健康状態が変わってきます。
我が家の場合ですとフードを変更したことでお腹の調子がとても良くなり、下痢や嘔吐の回数が激減しました。(下痢されると家中臭いし、お尻や足にウンチを付けて部屋を汚されたりするので最悪です)
ストレスをかけない生活も大切で、例えば猫はトイレが気に入らないと我慢したり布団で粗相したりします。病気にも繋がるため、猫ちゃんが好むトイレを探してあげてください。
猫トイレはどっちがいい?砂よりシート(システムトイレ)の方がデメリット多め!高額な医療費が必要になった場合
例えば手術で何十万と必要になった場合、どうしてもお金が工面できないならクラウドファンディングで支援してもらう方法もあります。
なんでもかんでも支援してもらうのはよくありませんが、本当にお金に困った際に利用するのはいいかと思います。
ソファで爪研ぎされたり物を落とされることもある
猫はあちこち飛び回って物を落とすため、壊れやすいものは出して置けません。観葉植物も猫が食べると死ぬ危険があって置けないですし、アロマなど匂いが強いものもダメです。インテリアにこだわっていても、猫を飼うことで飾れない物が増えてしまいます。
そして猫を飼っている人の悩みで多いのが爪とぎ問題です。研ぎ心地が良いとされるソファはボロボロにされる確率が高く、布製品(イスの座る部分など)も爪とぎの対象となります。
家の柱や壁で爪を研ぐ猫もいるため、猫不可物件だと退去費用に100万近く請求されるかもしれません。
ちなみに「ここで爪とぎしないで」と怒っても猫は聞いちゃくれないです。しつけはほぼ無理と思ってください。(その場で怒ってやめたとしても、見ていないところでこっそりやる生き物です)
対策するには?
高級な家具は買わず安い家具を使いまわす、爪とぎを複数設置しておく、柱などはガードしておく。心構えとして「猫は物を破壊する生き物」と思っておいた方が楽です。
うるさくて寝られないこともある
猫を飼えば1度は経験するであろう「夜泣き」や「深夜の運動会」。ニャーニャーうるさく鳴かれたり、ドタバタ走り回って睡眠を妨害されるかもしれません。
特に発情期の夜泣きは想像以上にうるさいので、去勢は必ずした方がいいですよ。
知人の猫はお布団に入るのが大好きで、飼い主が寝たら入れてくれとニャーニャー催促するそうです。そして少し経つと布団から出て、また入れてと鳴くから大変だと言ってました。あとは朝になると「お腹が空いたから起きろ」と催促されたりするそうです。
対策:日中に遊んで体力を消耗させよう
有り余ってる体力を消耗させるため、猫ちゃんとしっかり遊んであげましょう。目安は1日15分、ねこじゃらしを使って元気いっぱい遊べば、深夜の運動会がなくなるかもしれません。
※適度な運動は筋力の維持、ストレス解消など健康を維持するのにも役立ちます。
あとは寝る部屋を分けたり、耳栓を使うのもいいでしょう。夜だけケージに入れる人もいますが、ストレスを与えてしまう可能性があるので個人的にはおすすめしません。
長期旅行しにくい
猫のお世話があるため、当然長期の旅行はしにくくなります。
ペットホテルに預けることもできますが1泊5000円前後しますし、普段とは違う生活から猫ちゃんにストレスを与えてしまうかもしれません。
2~3日、家を開けるくらいなら
自動給餌器、複数の水飲み場、複数のトイレを設置すれば2~3日くらいの旅行はできます。近くに両親や兄弟が住んでいるなら、合いかぎを渡してお世話してもらうのもいいでしょう。
あとはペットシッターにお願いするのもおすすめです。1時間3000円くらいですので、お水の交換やトイレ掃除、食器を洗ってもらうなどしてもらえます。
部屋が汚れやすい
抜け毛、嘔吐、猫砂が散らばるなど、猫を飼えば部屋は汚れやすくなります。
猫の毛は無限に出てくるので黒い服は着づらくなるし、嘔吐も所かまわずするし、猫砂なんて隣の部屋まで肉球にくっつけて持っていきます。
下痢したウンチを足にくっつけて部屋の中にスタンプしたり、高いところからフードを吐かれるなんてことも経験するでしょう。
なので、部屋を汚されるのが嫌な人は猫を飼うのに向いていません。
対策はできる?
ブラッシングすれば抜け毛が減り、毛玉による嘔吐は少なくなると思います。フードを吐く問題は早食いを防止したり、猫ちゃんの体に合った物を食べさせれば吐きにくくなると思いますが、それでもゼロにするのは難しいです。
猫砂問題は上から入るタイプのトイレにすると、まだマシになります。
【猫砂の飛び散り防止】100均マットよりトイレ替えた方が99%掃除が楽だよ。 【これで解決】猫が早食いして吐くのを防止する必殺アイテム!猫の性格を好きになれない事もある
猫によっては全く懐かず、むしろ攻撃されるなんてこともあります。時間をかければ仲良くなれるかもしれませんが、一生懐かないことも0ではありません。
飼い主にベタベタな猫、ツンデレ猫、一切関わってほしくない猫など、本当に性格はマチマチです。理想を求めすぎるとガッカリするかもしれません。
食事の好みにうるさい猫もいる
「これは食べません」と断固拒否するなど、猫は食事の好みがうるさい動物です。これは幼少期に色々な物を食べなかったせいと言われていて、大人になってから好き嫌いをなくすのは難しいかもしれません。
それならお気に入りのフードだけ食べさせればいいでしょ?なんて思うかもしれませんが、年齢によって食べるフードを替えた方が健康のためにはいいのです。
また、病気になった時に療法食を食べないと悪化するだけとなり寿命にも影響してきます。
※全ての猫が偏食と言うわけではありません。何でも食べてくれる猫ちゃんもいます。
アレルギーに悩まされる可能性がある
猫アレルギーを持っている人だと、くしゃみや鼻水、目の痒みが止まらなくなるかもしれません。
検査して問題なかったとしても、突如現れる可能性もあります。
対策方法は?
小まめに部屋の掃除をする。空気洗浄機を使う。猫を清潔に保つ(タオルで拭く)ことで、いくらかアレルギーを抑えることができます。
【最新版】猫アレルギーを克服するための10の対策!ペットを飼って後悔した人は15%
犬などのペットも含まれていますが、ペット保険相談サービス「MOFFME」の調べによると、ペットを飼った人の15%は後悔したと回答しています。(後悔したことがあるが5%、少しあるが10%)
多くの方がペットの情報を調べてから飼い始めていますが、それでも知識不足と感じたり後悔している人も少なからずいました。
あなたにとって本当に癒しの存在になるのか?ちゃんとお世話ができるのか?、よく考えてから迎え入れた方がいいでしょう。
大変なこともあるけど猫は飼いやすい動物
猫を飼うこと自体は全く難しくなく、むしろ飼いやすい動物です。
- 部屋は1ルームでOK
- 散歩不要
- 体は臭くない
- トイレもすぐ覚える
- 出費は少ない
大きな部屋はいらず1ルームでも十分飼えますが、上下運動ができるキャットタワーは置いた方がいいです。犬と違い散歩は不要、むしろ外に出ると事故や病気のリスクが上がり寿命が短くなるので室内飼いを推薦します。
体はいつ嗅いでも臭くないし、トイレもすぐ覚えるおりこうさんです。
出費も1ヵ月で約1万円と家計を圧迫するような金額ではありません。(一般社団法人ペットフード協会の2021年のデータによると、猫1匹にかかる1ヶ月の平均費用が医療費も含め9138円でした)
あとは、夏や冬の電気代が少し上がったり、最初にワクチンを打ったり必要な物を揃えるため、5万くらい必要となります。
猫を飼うのに必要な物:キャットタワー、爪とぎ、爪切り、ブラシ、キャットフード、食器、トイレ用品、ねこじゃらし、キャリーケースetc
猫を飼って大変だったこと
1番大変だったのは腎不全で看病が必要だった時です。ご飯を食べようとしないのでシリンジなどで与えたり、毎日点滴もしていました。日に日に弱っていく姿を見るのは精神的にもきつかったですが、お別れは必ずやってくるので仕方ありません。
あとは、キーボードの上にゲロされたり、布団にオシッコされるとしんどいですね。
猫を飼うメリット
やはり癒しの存在になるのが1番のメリットだと思います。仕事から帰って出迎えてくれると嬉しいですし、スリスリされたり甘えられると疲れも吹き飛びます。一人暮らしなら寂しさを感じることも少なくなるでしょう。
他にも猫を飼うことで科学的に証明されているメリットがいくつかあるので紹介いたします。
約4000人のアメリカ人を10年にわたって調査した結果、猫を飼っている人は猫を飼っていない人に比べ心臓発作のリスクが約30%少なくなるそうです。心臓発作にはストレスや不安が関係していると言われており、猫を飼うことでそれが軽減されると考えられています。
1歳になるまでに猫と接した子供はペットアレルギーだけでなく、ハウスダストや花粉などを含むアレルギー全般を発症しにくくなる傾向があるそうです。
猫に触れることで「オキシトシン」というホルモンが上昇し、免疫機能の向上やストレス減少などのさまざまな健康効果があるそうです。
喉をゴロゴロ鳴らしている猫を触ると、微細な振動で人の骨の骨密度を上げてくれるそうです。他にもリラックス効果があるとも言われています。
肉球を触ることでストレスの軽減や血圧を下げる効果があると言われています。
参考:健康や幸福度の向上にペットが効果的な8つの理由
参考:科学的に証明されている、猫を飼うことの10のメリット
参考:猫を飼う人の心身が癒やされている科学的根拠
参考:【科学的に証明】一緒にいるだけで、健康で幸せになれる!あなたがネコと暮らすべき「13のワケ」
猫を飼うなら子猫?成猫?老猫?
どんな猫ちゃんでも可愛いですが、年齢別にメリットとデメリットがあります。
まず子猫の場合は小さい時から飼うので懐きやすく、一緒に過ごせる時間も1番長いです。小さいフォルムはめちゃくちゃ可愛いし、子猫から飼いたいと思う人も多いでしょう。ただ、本当にヤンチャで色々なものに興味を持つ年ごろです。イタズラもすごいし飼い主の手足に噛みつくことも多々あります。
成猫になると徐々に落ち着いていき、子猫に比べてヤンチャ具合も減っていきます。大体の性格も分かってきますが、警戒心もついてくるので懐くまで少し時間がかかるかもしれません。
老猫は落ち着きがあるのがメリットです。若い猫に比べ活動量が減りヤンチャもほとんどしなくなりますが、猫によっては懐きにくく、一緒に過ごせる時間も1番短くなります。病気のリスクも高くなるため、出費がかさんだり早い段階で介護的なお世話が必要になるかもしれません。
猫1匹飼いと多頭飼いならどっちがいい?
個人的には1匹より2匹飼うのがおすすめです。最初から2匹?と思うかもしれませんが、1匹も2匹もそんなに大差ないですし、特に子猫の場合は一緒に遊んで噛む力を学んでいくので飼い主への噛み癖もなくなります。
ただし、年齢差がある多頭飼いはおすすめしません。特に子猫と老猫の組み合わせだと、子猫のヤンチャぶりに老猫が嫌がることが多いからです。(ストレスの原因となる)
できるだけ同じくらいの年代で、かつ年齢が若いと仲良くなれる確率が高くなります。逆に年齢が高くなると仲良くなれる確率も下がり、お互いの存在がストレスになるかもしれません。
【体験談】猫の噛み癖を治すならしつけより〇〇が劇的に効果があった。1人暮らしで猫を飼うのはどうなの?
お世話を全部1人でやるため旅行はしづらくなりますが、家に帰って癒しの存在があるのは暮らしを豊かにしてくれます。
ただ、出張が多いと猫ちゃんが可哀そうですし、転勤で引っ越しばかりするのも猫にとってはストレスになります。(猫は環境の変化を嫌うため)
あまり旅行に行くことがない、出張や転勤もない、近くに親族が住んでいる(家を空けるときに任せられる人がいる)なら、1人暮らしでも大丈夫だと思います。
1匹だけ飼う場合、猫は寂しくないの?
これは猫ちゃんによります。構ってくれない時間が多くてストレスが溜まる猫もいますし、そんなの気にしないって子もいるので何とも言えません。
個人的には2匹いるとお互いじゃれあって遊べるので多頭飼いをおすすめしますが、部屋は散らかりやすくなります。
1人暮らしで多頭飼いしてる友人の話
1人暮らしで4匹の猫を飼っている友人は、毎日楽しく暮らせて幸せだと言っています。
一時期、腎不全の猫が2匹いて猫砂の消費量がめちゃくちゃ多くて大変そうでしたが、自分の生活スタイルも維持しながら楽しく暮らしていました。(腎不全になるとお水を多く飲むためオシッコの量がすごく増えます)
1人暮らしで猫を飼うのは少しばかり制限されることもありますが、猫が好きなら問題なく暮らしていけます。
まとめ
猫を飼うデメリットは
- 病気した時のお世話が大変で出費も高額になりがち
- ソファで爪研ぎされたり物を落とされることもある
- うるさくて寝られないこともある
- 長期旅行しにくい
- 部屋が汚れやすい
- 猫の性格を好きになれない事もある
- 食事の好みにうるさい猫もいる
- アレルギーに悩まされる可能性がある
猫ちゃんに合わせた生活スタイルになるため、そこが少しでも難しそうと思うなら飼わない方がいいかもしれません。
猫の寿命は約15年、長いと20年以上生きる子もいます。最後まで面倒を見る責任が持てるのか?じっくり考えてから迎え入れましょう。
猫を飼うのに月いくら必要?一生にかかる費用や愛猫の飼育費を紹介します。 拾った子猫を育てた記録!成長過程や育て方・週齢ごとの行動を書いた。