「鉱物系の猫砂は粉塵が出るから危険」と耳にしますが、実際どれほど危ないのか?
調べた限りですと危険性は低く気にするレベルではないのかなと思います。ただ、粉塵の害が0ではないため、体調を悪くするようなら違う砂に変えた方がいいでしょう。
「それなら最初から他の砂にした方がいいのでは?」なんて思うかもしれませんが、鉱物系の猫砂を使う意味があるので詳しく説明します。
鉱物系の猫砂に使われるベントナイトとは
ベントナイトとは、モンモリロナイトを主成分とする粘土鉱物の一種です。
水を吸収すると膨らんだり粘性を示す性質から、化粧品や医療品、食品添加物としても利用されています。
また、動物飼料(猫砂)の添加物として農林水産省にも認められています。(農林水産消費安全技術センター:飼料添加物一覧)
毒性はないのか?
日用品や医療品、食品への添加も認められていることから毒性レベルは低いです。(通常に使用する分には有毒性は報告されていません)
しかし、粉塵を大量に吸い込むと「じん肺症(肺の組織が線維化し硬くなって弾力性を失う病気)」など引き起こす可能性があるため、日本産業衛生学会ではベントナイト粉塵の危険性レベルを第一種粉塵に分類しています。
※通常に使用するならベントナイト自体に大きな危険性はないが、粉塵を大量に吸い込むと健康被害を起こすので注意を促している感じです。
猫砂(鉱物)による危険性について
猫の健康被害
2歳6ヶ月のメス猫がベントナイトの猫砂を大量に食べたことで健康被害(低カリウム血症、倦怠感、筋力の低下、脱水、心雑音、重度の貧血など)を引き起こしたと報告されています。(Hornfeldt, 1996)
治療によって回復しましたが、また猫砂を食べたことで同じような症状を引き起こしました。
もし鉱物の猫砂を大量に食べてしまうようなら、同じことを繰り返さないよう他の種類(おから、紙、木系の猫砂)に変更した方がいいかもしれません。
人の健康被害
猫砂による人への健康被害については、日本国内で3例が報告されています。(ケイ酸アルミニウムによる呼吸器障害の3例)
ケース①37歳の女性
猫砂を捨てる際に舞い上がった粉塵を大量に吸い込んで呼吸困難になった。
ケース②48歳の女性
ハムスターの飼育にペットのトイレ砂を使用していたことで咳が出るようになった。
ケース②45歳の女性
猫の飼育に猫砂を使用していたことで痰のからむ咳や呼吸困難が出るようになった。
最新の情報では、44平方メートル(25畳前後)の部屋に9つのトイレを設置していた女性が、ベントナイト製の猫砂が原因と考えられる慢性珪肺症(呼吸困難など呼吸器障害を引き起こす病気)を発症したと報告されています。(Hubska J, 2022)
結構広い部屋ですが、18年間にわたり粉塵を吸い込んだことで健康を害されたようです。なので、こまめに室内の換気をしたり、粉塵を吸い込まないよう注意した方がいいでしょう。
鉱物系以外の猫砂を使った方がいいのか?
結論から言うと鉱物系の猫砂が1番おすすめです。
理由は他の猫砂だとストレスの原因になったり、便秘や膀胱炎などのリスク、布団などで粗相する可能性があるためです。
猫砂の種類には「鉱物系、木系、紙系、おから、シリカゲル」などがあり、この中で猫が1番好むのが鉱物系になります。
猫砂の種類 | オシッコの回数 | ウンチの回数 |
鉱物系 | 12回 | 9回 |
木系 | 4回 | 3回 |
おから | 3回 | 0回 |
木系 (システム用) |
2回 | 0回 |
紙系 | 1回 | 0回 |
※2021年に成猫10頭で22時~翌日15時まで調査したオシッコとウンチの回数
この検証データをみると鉱物系が断トツで人気なのが分かります。
では、なぜ鉱物系の砂が好きなのか?その理由が
- 手触りが硬い
- 粒が小さく重い
- 無臭である
- 脱臭力がある
これらの特徴の砂を猫が好むことを酪農学園大学獣医学部が1年かけて検証し論文を発表しました。(論文はこちら)
8頭の猫(雄2、雌6)を1年間ケージ飼育しながら、固まる砂(鉱物)、固まらない砂、ヒノキの砂、ペーパーサンド、シリカゲルの使用頻度を比較したところ1番好まれたのが固まる砂(鉱物)で、使用頻度が少なかったのがヒノキの砂とペーパーサンドと記されています。
ちなみに砂の固まりやすさについては使用頻度に影響はないそうです。
長年使ってきたシステムトイレの横に鉱物系の砂トイレを置いて使用率を比べてみました。結果は10対0で鉱物系トイレの圧勝。それ以来システムトイレは排除して鉱物系の猫砂トイレを使っています。この結果をSNSに投稿したら同じ様に実験してくれた方が何人かいて、我が家と同じく鉱物系トイレが圧勝だったそうです。
猫トイレはどっちがいい?砂よりシート(システムトイレ)の方がデメリット多め!以上のことから鉱物系の砂をおすすめしますが、他の砂も試したいならそれぞれの使用頻度を比べてみるといいでしょう。
どの砂が好きかは両方の猫砂を置いて使用率をみればすぐ分かります。あとは排泄時の行動でも砂の好き嫌いがある程度分かるので、以下の行動をしていないかチェックしてみてください↓
- 砂を掘らないで出ていく
- 排泄後に尿・糞便を覆わない
- トイレの縁に立ち排泄する
砂以外にも「トイレが汚い、臭い、フードカバーの有無、トイレの場所が気に入らない、トイレが狭い」と、上記の行動をとることがあります。
猫におすすめのトイレ本体は?論文によるとコレが喜びます!鉱物系の猫砂を安全に使うには
粉塵による健康被害は0ではないため、できれば砂埃が立ちにくい猫砂を使うようにしましょう。
私が使ってきた猫砂の中で粉塵が立ちにくいものをいくつか紹介するので参考にしてみてください。
粉塵の出にくさが断トツ1位の「セリームバイオサンド」。砂が細かく重みがあり消臭力も高いです。ただ、微香料なので猫ちゃんが嫌がる可能性はあります。粉塵の出にくさだけで選ぶなら間違いなくおすすめです。
粉塵の出にくさ:★★★★★
月のコスパ:774円(我が家の場合)
個人的1位は「エバークリーン」。粉塵も出にくく1ヶ月経っても臭わない消臭力がすごいです。昔から人気の猫砂で今もなお多くの人に愛用されています。
粉塵の出にくさ:★★★★☆
月のコスパ:726円(我が家の場合)
エバークリーンと同じくらいの品質で粉塵も出にくい「エルスレイウルトラ」。砂の粒がやや大きい(最大5mm)ため、トイレ外への飛び散りは多少マシです。
粉塵の出にくさ:★★★★☆
月のコスパ:794円(我が家の場合)
品質がやや高めで値段もお手頃な「キャットマニア」。安い猫砂に比べると粉塵は少ないですが、エバークリーン、セリームバイオサンド、エルスレイウルトラほどではありません。
粉塵の出にくさ:★★★☆☆
月のコスパ:677円(我が家の場合)
まとめ
粉塵による健康被害も少し出ていますが、そこまで大きな問題ではないため気にしなくても大丈夫だと思います。
ただ、粉塵を吸い込まないに越したことはありません。なので、粉塵が出にくい砂を使う、こまめに喚起する、トイレのカバーは外しておいた方が安心です。
それでも咳などの症状が出るなら、早めに獣医さんに診てもらい砂の変更を検討してください。
今まで使った中だとエバークリーンがおすすめです。粉塵が出にくいだけでなく、消臭力も高いためトイレが臭いにくいです。1箱1500円前後とお高めですが、猫1匹なら1ヶ月700円前後の出費で収まると思います。
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