アレルギーを引き起こしにくい猫のことを「ハイポアレルジェニックキャット」と言います。
インターネットを調べると、以下の7類がアレルギー症状の出にくい猫と言われています↓
- サイベリアン
- バリニーズ
- ロシアンブルー
- オリエンタルショートヘア
- コーニッシュレックス
- デボンレックス
- スフィンクス
ただし、これらの猫を飼えば100%アレルギー症状が出ないわけではありません。
現状ではサイベリアンが1番アレルゲンが低いかもしれませんが、個体によっては酷いアレルギー症状に悩まされる可能性があります。
それはどういう事なのか?
先に猫アレルギーが出にくいと言われる猫種を紹介し、その後に重要なお話をします。
この記事を最後までお読みになり、本当に飼っても大丈夫なのか検討してみてください。
目次
猫アレルギーでも飼える7種の猫
以下が、猫アレルギーが出にくいと言われている猫種です↓
- サイベリアン
- バリニーズ
- ロシアンブルー
- オリエンタルショートヘア
- コーニッシュレックス
- デボンレックス
- スフィンクス
※これらの猫がアレルギーを発症しにくい理由は後で説明します
体重や毛色、毛のパターンなど、それぞれの特徴をまとめたのでご覧ください。
サイベリアン
体重 | オス:6~10kg メス:4.5~9kg |
体型 | ロング&サブスタンシャル |
毛種 | 長毛種 |
毛色 | ブラック、ホワイト、チョコレート、シナモン、レッド、ブルー、ライラック、フォーン、クリーム |
毛のパターン | ソリッド、タビー、シルバー&ゴールデン、スモーク&シューデッド、バーティカラー、キャリコ&バイカラー、タビー&ホワイト、ポインテッド、ポインテッド&ホワイト |
目の色 | ゴールド、グリーン、カッパー |
価格 | 約25万 |
シベリア由来の大型猫「サイベリアン」
全体的に丸いフォルムが特徴で、ロシアの寒い地域で生息していた長毛種です。冬には三層のトリプルコートになるとされています。
抜け毛の量は多いとされていますが、アメリカでは猫アレルギーが出にくいとして飼われる方が多いようです。
バリニーズ
体重 | オス:3.5~5.5kg メス:2~4kg |
体型 | オリエンタル |
毛種 | 長毛種(セミロング) |
毛色 | シール(ブラック)、チョコレート、ブルー、ライラック |
毛のパターン | ポインテッド |
目の色 | ブルー |
価格 | 約20万 |
被毛のパターンがポイントになる「バリニーズ」
鼻や耳、四肢の先端周辺、尾などがブラックやブラウンなどの濃い色になるのが特徴。長毛種に分類されるものの、それほど長くはなくセミロングヘアーと表現されることがあります。
毛質は絹のように滑らかで、毛玉や抜け毛は少なめ。
ロシアンブルー
体重 | オス:4~5.5kg メス:2.5~4kg |
体型 | フォーリン |
毛種 | 短毛種 |
毛色 | ブルーのみ |
毛のパターン | ソリッドのみ |
目の色 | グリーン |
価格 | 約20万 |
青く美しい毛並みが特徴の「ロシアンブルー」
絹のような滑らかな手触りでスタイルは細身、あまり鳴かない大人しい猫種と言われています。
知的なため人に対してはある程度観察してから仲良くするかどうかを判断する個体が多く、一度仲良くなればとても忠実に行動してくれます。
オリエンタルショートヘア
体重 | オス:3.5~5.5kg メス:2.5~4kg |
体型 | オリエンタル |
毛種 | 短毛種 |
毛色 | エボニー(ブラック)、ホワイト、チェスナット、シナモン、レッド、ブルー、ラベンダー、フォーン、クリーム |
毛のパターン | ソリッド、タビー、シルバー&ゴールデン、スモーク&シューテッド、パーティカラー、キャリ&バイカラー、タビー&ホワイト、ポインテッド、ポインテッド&ホワイト |
目の色 | ブルー、グリーン、オッドアイ |
価格 | 約30万 |
スラリとしたスタイルで毛色が豊富な「オリエンタルショートヘアー」
全体的にスレンダーだが、筋肉質で運動能力が高いと言われている猫種です。性格は甘えん坊が多く、好奇心旺盛でいろいろなものに関心を示す性格。
コーニッシュレックス
体重 | オス:3.5~4.5kg メス:2.5~3.5kg |
体型 | オリエンタル |
毛種 | 短毛種 |
毛色 | ブラック、ホワイト、チョコレート、レッド、ブルー、ラベンダー、クリーム |
毛のパターン | ソリッド、タビー、シルバー&ゴールデン、スモーク&シューテッド、パーティカラー、キャリ&バイカラー、タビー&ホワイト、ポインテッド、ポインテッド&ホワイト |
目の色 | ブルー、ゴールド、グリーン、ヘーゼル、オッドアイ |
価格 | 約20万 |
個性的なさざ波のような巻き毛の「コーニッシュレックス」
短毛種でありながらカールしている被毛が目を引くスタイリッシュな猫です。好奇心旺盛でエネルギッシュな性格。遊ぶことが大好きなので飼い主とできるだけ一緒に入れるのが理想だそう。
デボンレックス
体重 | オス:3~4kg メス:2.5~3.5kg |
体型 | セミフォーリン |
毛種 | 短毛種 |
毛色 | ブラック、ホワイト、チョコレート、シナモン、レッド、ブルー、ラベンダー、フォーン、クリーム |
毛のパターン | ソリッド、タビー、シルバー&ゴールデン、スモーク&シューテッド、パーティカラー、キャリ&バイカラー、タビー&ホワイト、ポインテッド、ポインテッド&ホワイト |
目の色 | サファイアブルー、イエロー、ブルー、ゴールド、アクア、オレンジ、グリーン、カッパー、ヘーゼル、オッドアイ |
価格 | 約30万 |
小顔で巻き毛の「デボンレックス」
個性的な外見で毛色や毛のパターンが多い猫種。イタズラ好きな性格などから「妖精」と称されることもあります。
スフィンクス
体重 | オス:3.5~6.5kg メス:3~4.5kg |
体型 | セミフォーリン |
毛種 | 無毛種 |
毛色 | ブラック、ホワイト、チョコレート、シナモン、レッド、ブルー、ラベンダー、フォーン、クリーム |
毛のパターン | ソリッド、タビー、シルバー&ゴールデン、スモーク&シューテッド、パーティカラー、キャリ&バイカラー、タビー&ホワイト、ポインテッド、ポインテッド&ホワイト |
目の色 | サファイアブルー、イエロー、ブルー、ゴールド、アクア、オレンジ、グリーン、カッパー、ヘーゼル、オッドアイ |
価格 | 約30万 |
無毛のしわしわ猫「スフィンクス」
完全な無毛ではなく全体的に細かい毛は生えているが、基本的にヒゲは生えない。無毛なので温度管理や直射日光を避け紫外線対策が必要となる。
また、毛穴から出る分泌物が皮膚のシワに溜まりやすいので、こまめに拭き取るケアもしなければなりません。
なぜ7種の猫はアレルギーが出にくいのか?
紹介した7種の猫は、なぜアレルギーが出にくいのか?
調べたところ以下2つが理由だそうです↓
- アレルゲンとなるfeld1の生成量が少ない品種だから
- 抜け毛が少なくアレルゲンの拡散量が少ない品種だから
では、詳しく説明していきます。
①アレルゲンとなるFeld1の生成量が少ない品種
「Feld1」とは猫アレルギーを引き起こす主な成分です。
猫の唾液や体から分泌される「Feld1」を触ったり吸い込んだりすると、体が有害物質だと認識してアレルギー反応が出ます。
この「Feld1」の生成量が少ないと言われている猫がサイベリアン、バリニーズ、ロシアンブルーの3種です↓
サイベリアン | バリニーズ | ロシアンブルー |
②抜け毛が少なくアレルゲンの拡散量が少ない品種
アレルゲンとなる「Feld1」は、猫が毛づくろいすることで体全体に付着します。
その毛が飛び散り拡散されるとアレルギー症状が出やすくなる、すなわち抜け毛が少ない猫の方がアレルギー症状が出にくいと言われています。
抜け毛が少ない品種がオリエンタルショートヘア、コーニッシュレックス、デボンレックス、スフィンクスの4種です↓
オリエンタルショートヘア | コーニッシュレックス | デボンレックス | スフィンクス |
極度の猫アレルギー持ちは飼わない方がいいかも…
猫アレルギーの症状が出にくい種類を紹介しましたが、最も症状が出にくいのはサイベリアンだけかもしれません。
理由はアレルゲンとなる成分(Fel d1)の生成量が少ないと実験により分かっているからです。とは言っても「Fel d1」の生成量が多いサイベリアンもいるため絶対ではありません。
どういうことなのか説明していきます。
まず、アレルゲンの主な原因となる「Fel d1」の少ない猫はサイベリアン、バリニーズ、ロシアンブルーの3種と説明しましたが、サイベリアン以外は科学的な検証がハッキリしていません。
恐らくですが英語版のウィキペディアの情報を見て、様々なブログやメディアが言っているのだと思われます。
以下の英語版ウィキペディアの説明にアレルギーが出にくい猫の品種が載っていますが、根拠については書かれていないのです↓
A hypoallergenic cat is a cat that is less likely to provoke an allergic reaction in humans. Although the topic is controversial, owners’ experience and recent clinical studies suggest that Siberian cats, Devon Rex and Cornish Rex cats, Abyssinian cats, Balinese cats, and several other breeds,[citation needed]
参考:英語版のウィキペディア
一応サイベリアンだけは科学的な検証がされており他の猫に比べるとアレルギー症状が出にくいようですが、4匹のサイベリアンしか実験しておらずデータ不足が否めません。
以下が実験についての内容です↓
サイベリアン4匹とその他の品種の猫35匹を集め、アレルゲンの主な原因となる「Fel d1」成分の量を比較しました。2匹のサイベリアンの「Fel d1」濃度は1.5μg/ mL以上でしたが、1匹のサイベリアンは0.5μg/ mL未満と他の猫の1/3の濃度だったと発表しています。
サイベリアン特有の遺伝子変異がタンパク質の構造を変化させ、結果としてアレルゲンである「Fel d1」の機能を変化させているかもしれないとの可能性に行きついています。
4匹中1匹だけアレルゲン(Fel d1)の数値が大幅に低かっただけですが、他の品種に比べるとアレルギー症状は出にくいと判断できそうです。
以上のことからアレルギー症状が出やすサイベリアンもいますし、バリニーズとロシアンブルーは具体的な検証データがなく実際どうなのか分かりません。
ちなみにSNSで交流した人の話では「サイベリアンを飼っているけど猫アレルギーは普通に出る」と言っていました。
サイベリアンでもアレルゲン(Fel d1)の生成量が多いと、生活に支障をきたすレベルのアレルギー症状に悩まされる可能性があります。
「それなら抜け毛が少ない猫なら大丈夫そうでは?」と思うかもしれませんが、毛が抜ける量は猫によってことなりますし、無毛のスフィンクスでもアレルゲン(Fel d1)の生成量が多ければ症状も出やすいでしょう。
以上のことからサイベリアンならアレルギー症状が出にくいかもと言うレベルであり、確実にアレルギー症状が出ない猫(Fel d1の生成量が少ない猫)は現状だと存在していません。
なので、猫アレルギーの症状が酷いなら飼わない方がいいかと思います
どうしても猫を飼いたいなら
トライアルできる猫を探す
アレルギーを発症する主な原因の「Fel d1」は猫によって生成量がことなるため、地道ではありますがアレルギー症状が出にくい猫を探すのが1つのポイントです。
サイベリアンはアレルゲン(Fel d1)が少ない可能性があるので、触ったりお試しで数日飼えるならアレルギー症状が出にくいか確かめてみるといいでしょう。
その他の品種でも個体差によって「Fel d1」が少なかったりします。紹介した種類以外にも検討してみるのもありです。
高齢の猫はアレルゲンが少ないかも
海外の調査によるとアレルゲン(Fel d1)の生成量は、歳を取るほど少なくなる傾向が見られたそうです。
保護猫でトライアルできるなら試してみるといいかもしれません。
掃除やブラッシングなどで対策
猫の毛が飛ばないようブラッシングをこまめに行う、空気洗浄機を置き部屋の掃除を徹底することでアレルギー症状を抑えることができます。
プラズマクラスター付きの空気洗浄機は「空気中のFeld1を80%近く減少させられる」と実験で証明されていますし、部屋をキレイに掃除すればアレルギーが出ないという人もいます。
ただし人によって症状が異なるため、イチかバチかでの賭けで飼うのはやめておきましょう。
猫アレルギーの克服・対策については、以下の記事でも説明しているので参考にしてください↓
【最新版】猫アレルギーを克服するための10の対策!ワクチンが出るのを待つ
スイスの会社が猫アレルギーの症状を抑えるワクチン『Hypocat』を開発しています。このワクチンを猫に打てばアレルゲン(Fel d1)の量を減らすことができるそうです。
ただ、いつ実用化されるかは分かっていません。
あとはピュリナ社が発売している猫アレルギーを軽減するフード「リブクリア」を食べさせるのも1つの手です。(アレルゲンの量を最大47%減少させたと発表している)
詳しくはこちら↓
【口コミ調査】ピュリナのリブクリアの効果はちょっと残念?まとめ
ネットではアレルギーを引き起こしにくい猫(ハイポアレルジェニックキャット)として色々紹介されていますが、現段階ではサイベリアンしか科学的な検証がされていません。
そのサイベリアンでも個体差によってアレルゲンの生成量がことなり、いざ飼ってみたら酷いアレルギー症状に悩まされる可能性だってあります。
安易に飼って後悔しないためにも、本当に大丈夫なのかじっくり考えてみてください。
【最新版】猫アレルギーを克服するための10の対策!