動物病院やペットショップでもおすすめされているロイヤルカナン。
だけど、こんな悪い噂を聞いたことあるかもしれません。
- 発ガン性のある成分が含まれている
- 4Dミートの肉だから危ない
- 穀物は食べさせない方がいい
- 韓国の生産工場は危ない
私も以前まではロイヤルカナンを敬遠していましたが、愛猫(タマちゃん)の肝臓が悪くなったきっかけで療法食を試したところウンチの臭いが激減し、毎日していた嘔吐も月に1回吐くか吐かないかまで減りました。
今までのフードが合わなかっただけかもしれませんが、愛猫の体調がとても良くなったので今も食べさせています。
これをきっかけにロイヤルカナンの危険性について調べると、今まで聞いていたことのほとんどがデマや大げさに言われているだけと知りました。
私は研究者でもなくロイヤルカナンのスタッフでもないため本当のところは分かりません。ただ、長い歴史と実績があるロイヤルカナンのフードは、猫ちゃんの健康に配慮したメーカーだと思います。
ここでは色々な悪い噂を含め、ロイヤルカナンがどんなメーカーなのか?危険な成分や原材料は使われていないのか?など、気になる点をまとめたので参考にしてみてください。
目次
ロイヤルカナンとはどんなメーカー?
簡単にまとめてしまうとロイヤルカナンはこんなメーカーです↓
- 1968年に誕生し歴史が長いペットフードメーカー
- 一流の科学、獣医学と共に科学的根拠をもとにしてペットフードを製造している
- 品質と安全を最優先にしている
- 原材料の調達から出荷するまで厳しい検査をしている
療法食の分野で実績があり評判も高い
動物病院で取り扱われることが多いロイヤルカナンの療法食。
一流の科学・栄養学の専門家・獣医師などと臨床データを取り、科学的に検証して作られたフードは猫ちゃんの長寿化に貢献しています。
例えば慢性腎不全の猫が通常食を食べ続けた場合の平均寿命が7ヵ月に対し、ロイヤルカナンの療法食は平均17ヵ月まで寿命が延ばせると言うデータがあります。
通常食についてはどれくらい寿命が延ばせるか検証するのが難しいためデータはないのですが、療法食での実績をみる限り他のメーカーよりも品質は高いのではないかと言えます。
例えばダイエットケアフードのパッケージに猫ちゃんの肥満防止に役立つと書いてあっても、実際に検証していないメーカーもあるようです。ロイヤルカナンはちゃんとデータを取り〇%の猫に効果があると開示しているため、獣医さんもお勧めしていることが多いと言っていました。
マージン貰ってる?獣医はなぜロイヤルカナンを勧めるのか?ロイヤルカナンがダメと言われるのはなぜ?
「食べさせるのをやめました」と言う人もちょくちょくいますが、理由としては「韓国の工場から出荷されている」のと「成分や原材料が危険と聞いた」の2つだと思います。
実際に工場を見学したわけでもなく成分や原材料が危険なのか科学者でもないので分かりませんが、病気を患っている猫の体調が改善したり、寿命を伸ばすことができている点を見る限り悪いキャットフードを作っているとは思えません。
「ロイヤルカナンの〇〇の成分は危険だ・この原材料は猫が消化できない」など、大げさに言っていることが結構あるため、ここからはどういった点が危険とされているのか詳しく説明していきます。
ロイヤルカナンの危険と言われる原材料や成分とは?
ネットで危険と噂されている
- 酸化防止剤
- 4Dミート
- 穀物
- 動物性樹脂
- 生産工場
について説明していきます。
酸化防止剤は安全?
ロイヤルカナンの酸化防止剤は安全です!
今まではBHA、没食子酸プロピル、クエン酸などの酸化防止剤が使用されていましたが、現在は天然の酸化防止剤「ミックストコフェロール」や「ローズマリーエキス」が使われるようになりました。
天然の酸化防止剤に切り替えるとコストが上がってしまうそうですが、それでも変更したのはBHAに発ガン性があると言う噂が広まり過ぎたからだと思います。
私も「BHA=発ガン性があり危険」と思っていたうちの1人です。ただ、よく調べてみると事実とはちょっと違った形で伝わっているようです。
BHAは危険ではない
BHAで発ガン性が報告されたのは1982年に行われたラットの実験ですが、基準値を大幅に超える量を与えたからだとされています。
また、ラットの前胃(2つ胃があるうちの前方)にのみガンが発見されているため、前胃がない猫には関係ありません。BHAによる発がんは前胃のある動物に限られると結論づけられています。
そして高濃度のBHAを含んだフードを猫に食べさせても発ガン性は確認できなかった為、キャットフードに添加しても特に問題ないそうです。
ロイヤルカナンのフードには猫が一生食べ続けても問題ない量のBHAしか含まれていなかったし、体内に残留しないため危険性はなかったという事になります。
※繰り返しとなりますが、現在ロイヤルカナンの酸化防止剤は天然の「ミックストコフェロール」や「ローズマリーエキス」に変更されています。
参考:酸化防止剤
参考:厚生労働省によるBHAの安全性について
4Dミートは入ってない?
4Dミートとは
- 屠殺(とさつ)以外で死んだ肉
- 病気の動物の肉
- 死にかけた動物の肉
- 障害がある動物の肉
人が食べるには適さない肉(いわゆる悪質な原材料)のことを差します。
アメリカのペットフードメーカーが4Dミート(死亡した犬や猫)を使用していたことがあり、それが原因でミートやミールといった記載があると「危ないのでは?」と疑われるようになりました。
では、ロイヤルカナンのキャットフードにはどんな肉が使われているかと言うと、厳しい検査に合格した肉しか使わないそうです。
赤外線検査や分析テストを行い、厳しい検査基準をクリアしないと工場内にすら搬入されません。(肉だけではなく全ての原材料で行われています)
原材料の目視、においの検査、数キログラムの原材料のサンプルを異なる箇所から採集して検査するなど、原材料の安全チェックは徹底しているとの事です。
穀物が含まれている点はどうなの?
一定量の穀物が含まれていても猫ちゃんの健康には問題ありません。
ただ、こんな話を聞いたことがある人もいるでしょう↓
- 猫は穀物を消化しにくいから食べさせない方がいい
- 元々肉食なのでグレインフリー(穀物なし)の方がいい
- 穀物はアレルギーの原因になる
調べてみると、これらの情報は科学的根拠もなくデタラメだそうです。
まず「猫は肉食であり穀物は消化しにくい」に関しては、消化しにくい穀物(例えばもみ殻など)もあるけれど、ロイヤルカナンに使われている穀物は適切な量を適切な調理をしているので消化しやすくなっているそうです。
「穀物はアレルギーの原因になる」についてもデタラメで、逆に肉や魚に比べると穀物の方がアレルギーが出にくいと証明されています↓
参考:犬と猫の栄養成分辞典
穀物入りフードの方が良い場合もある
例えば腎不全を患っている猫の場合、食事に含まれるリンを低減することで寿命が長くなったと報告されています。(参考)
小麦グルテンやコールグルテンなどの穀物は、肉類よりリンの含有量が少なく消化に優れたタンパク質を含んでいるため、療法食の腎臓ケアフードや高齢猫用フードに使われています。
グレインフリー(穀物なし)を謳い文句にしたキャットフードも多いですが、消化吸収に優れた穀物なら何ら問題ないので心配いりません。
むしろ腎不全を患っていたり高齢の猫には、一定の穀物が健康を維持する最適な材料みたいです。
動物性油脂(動物性脂肪)は大丈夫?
動物性油脂(動物性脂肪)は嗜好性を高めるために使われるフレーバーで、フードの周りにコーティングされるものです。
動物の脂が使われており、どのキャットフードにも含まれています。
「ロイヤルカナンはどんな動物性の脂が使われているか分からないから危険」と言う人もいますが、原材料を厳しくチェックしているので心配ないでしょう。
ただ、「鶏脂」とか「サーモンオイル」とか細かく記載されている方が、購入者としては安心できるのになと思いました。
ロイヤルカナンに問い合わせれば何の動物性油脂(動物性脂肪)が使われているか教えてくれます。気になる製品がありましたら公式サイトより問い合わせてみてください。
生産工場の衛生面や安全性は?
世界中にあるロイヤルカナンの工場は、共通の品質・安全管理システムに従って製造されています。
最終的にフランス本社で厳しい品質検査を経てから出荷されるため、フードの安全面について心配する必要はないでしょう。
現在、世界16か所に工場を有していて、2018年に誕生した韓国工場が最新の技術を導入しているそうです。(日本向けのメイン工場)
訪問者には製造工程が見学できる回路が設けられ、実際に製造している様子を見ることができます。
ですので工場の環境(衛生面)が悪いとは考えられないですし、製造のほとんどが機械化されているため安全面に関して心配する必要はないでしょう。
ロイヤルカナンの製造工場については、別の記事で詳しく説明しています↓
【危険?】ロイヤルカナンの韓国産フードは何が問題なのか?愛猫にロイヤルカナンを食べさせた感想
食いつきが良い
今まで食べさせたロイヤルカナンは、肝臓サポート、消化器サポート、エイジング12+の3種類で、どれも食いつきが良いです。
飽きることなく最後まで食べてくれますし、愛猫も好きみたいで他メーカーのフードより先に食べてしまいます。
エイジング12+は1粒が大きく歯がない愛猫でも食べられるのか心配でしたが、丸のみするので全く問題ありませんでした。
小粒の方が食べやすいかなと思い違うメーカーのフードと一緒に出しても、大きい方(ロイヤルカナン)を好んで食べていたので歯がなくても平気みたいです。
【予想外の結果に】ロイヤルカナンの猫用「肝臓サポート」をレビュー! 【違いは?】ロイヤルカナン(猫)の消化器サポートと可溶性繊維の詳細と口コミレポ!嘔吐の回数が激減した
毎日透明な胃液やフードを吐いていたのが、ロイヤルカナンに替えてからほぼ0になっています。
元々はメディファスを食べさせていて、健康診断に行ったら肝臓が悪いと診断されたのでロイヤルカナンの療法食に替えたら嘔吐する回数が激減しました。
そこからロイヤルカナンの消化器サポート、エイジングケア12+と替えても嘔吐はほとんどしません。
肝臓が悪かったため嘔吐していた可能性もありますが、毎日吐いていたのがピタリとなくなったので今はロイヤルカナンをメインに食べさせています。
便の臭いが激減した
もう1つ体調の変化を感じたのがウンチの臭いです。
お腹の調子が悪い時は2つ隣の部屋まで臭っていたのに、ロイヤルカナンに替えてから臭わなくなりました。
ウンチの状態が最高とまでは言わない(あまり水を飲まないせいかウンチがちょっと固め)ですが、コロコロ過ぎた昔のウンチより状態は良くなっています。
お腹の調子が良いみたいでロイヤルカナンしてから下痢は1度もありません。(ロイヤルカナンを食べさせてから1年以上経っています)
悪かった点について
食費が上がったくらいです。
以前食べさせていたメディファスは1kgで約700円、ロイヤルカナンは1kg約1500円くらいなので食費がほぼ倍になりました。
とは言っても今食べさせているエイジング12+は1日50gで92.5円、1ヵ月で2775円なので言うほど高くはないです。
ロイヤルカナンの口コミや評判は良いけれど
楽天やアマゾンでロイヤルカナンと検索すると、口コミの数が他メーカーとは比較にならないくらいあります。
レビュー件数は1万件以上、評価は4.5点を超えていて満足している人の方が圧倒的に多いです。
ここまでレビュー数が多く評価が高いメーカーはそうそうないため一度試してみるのはおすすめですが、いくつか注意点があるので説明しておきます。
ロイヤルカナンが合わない猫もいる
全ての猫ちゃんにロイヤルカナンが合うとは限りません。
猫ちゃんによっては吐いたり、下痢したり、食いつきが悪いなんてこともあります。
ロイヤルカナンの評価がいくら良くても体に合わないなら無理してあげる必要はないので、他メーカーに切り替えた方がいいでしょう。
ちなみに我が家では、以前にロイヤルカナンのインドアを食べさせたことがあるのですが、その時は体調に変化はありませんでした。(フードの種類によっても合う合わないがある)
もしかしたら猫ちゃんに合わない可能性もあるため、無理に食べさせず他メーカーに切り替えてしまいましょう。
胃腸がデリケートな猫は食事が変わるとお腹を壊したり吐いたりする事もありますが、これは普通の現象なので心配する必要はありません。猫ちゃんに負担をかけないためにもフードの切り替えは徐々に行うのが正しい手順です。それでも体調が悪いならロイヤルカナンはやめておきましょう。
ロイヤルカナンの選び方
猫ちゃんの年齢に対応したフードを選ぶようにしてください。
理由は病気の予防になるから!
例えば高齢猫用フードは腎臓の負担を抑えるためリンの含有量を少なくしています。(高齢になるほど腎臓の機能が悪くなりやすい)
猫種別にもフードが分かれており、例えばアメリカンショートヘアの猫は太りやすいので脂質が抑えられています。(肥満は病気の発症リスクが上がります)
猫の年齢や品種別にフードを選ぶことで病気の予防できるため、できる限り愛猫に合ったものを選びましょう。
病気の予防になると勘違いして療法食を与える飼い主さんもいますが、それはNGです。療法食はあくまで病気を治すためのフードで予防食ではありません。逆に体調が悪くなる可能性があり危険と言われているため、与えたい場合は獣医さんに相談してからにしましょう。
種類について
ロイヤルカナンでは、猫種、年齢、ライフスタイル、お悩み、病気専用などラインナップが豊富です。
「ありすぎてどれを選べばいいか分からない!」と言う人も多いので、そんな場合はロイヤルカナンの公式サイト「my royalcanin」で探してみてください。
分かりやすく種類分けされていますし、この中に療法食はないのでどれを選んでも大丈夫です。
ロイヤルカナンのキャットフードを公式サイトで購入することもできますが、楽天・アマゾン・ヤフーの方が値段は安いです。
ロイヤルカナンよりおすすめなキャットフードはある?
療法食の分野ではロイヤルカナンかヒルズのキャットフードが良いと思います。理由はどちらのメーカーも歴史が長く、臨床データを取り病気の治療や予防の効果がハッキリと出ているから。
通常食に関しては、どのメーカーを選んでも変わらないのかなと思います。
と言うのも、通常食を食べ比べて健康や寿命などの変化を検証したデータがないのと、長寿猫を飼っている人達に何を食べさせていたかアンケートを取ったら8割以上の人が安いキャットフードを食べさせていたからです。
長寿としてギネスに申請されている猫ちゃんも「そんな物を食べていたの?」という内容でしたし、ネットで調べた長寿猫達の食事も共通点がなくバラバラでした。
詳しくはこちら↓
え?猫が長生きする食べ物を調べてみたら共通点が…。 ロイヤルカナンを食べれば猫は長生きするのか?YouTubeで情報発信している獣医さんも「安いキャットフードでも長生きする猫はいるのでロイヤルカナンが1番と言うわけでもない」と発言をしていたことから、どれが1番良いかは分かりません。
ただ、ロイヤルカナンは科学的に検証してフードを作っていて療法食の分野で実績もあるので、私は今後もロイヤルカナンを食べさせ続けようと思っています。
今注目されているフード
通常食に関しては「マルカンのaim30」と言うキャットフードが今注目されています。
猫の腎臓病の治療薬を開発している宮崎教授とマルカンが共同開発したaim30は、腎臓の健康維持フードとして世間から騒がれました。
若いうちから食べさせておけば寿命が伸びる可能性があるとして購入者が殺到したフードですので、健康な猫ちゃんなら1つの候補にいいかと思います。
詳しくはこちら↓
マルカンの「AIM30」は猫に食べさせるべき?成分は安全なのか?まとめ
病気を患っている猫ちゃんならロイヤルカナンの療法食はおすすめです。しっかりと検証したデータがあり、治療の効果が出ているため、他メーカーを選ぶよりは良いでしょう。
通常食に関しては他と比較したデータがないのでロイヤルカナンでなくてもいいですが、科学的根拠を元にライフステージ・猫種別に対応したフードは病気の予防に適しているのかなと思います。
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いつもInstagram拝見しています。参考にさせていただく内容も多く、たまちゃんに癒されながら楽しく拝見しています。
昨年生後2週間ほどの保護猫と縁有り我が家に迎えました。保護時猫風邪をひいていた為いきなりの通院。猫飼育初心者で不安だらけだったので色々教えて頂きました。フードについてもとても熱く語られる先生で、ロイカナ、ヒルズのサンプルを頂き、良質なフードを!と強く推奨されていましたが、経済的にもキツかったのと味の好みがはっきりしていて、頂いたサンプルを全く食べず他メーカーのチキンのみ食べたのでずっとそちらをあげていました。(ちなみに最初ミャウミャウその後メディファス)ところが先日突然の血尿で慌てて診て頂いた所尿に結晶が混ざっているということで、フードが原因の可能性があるらしく療養食(ロイカナユリナリー)で様子をみることになりました。好き嫌いがはっきりしているので食べるか心配していましたが、めっちゃ食べてくれるので一安心。まだ経過観察中で療養食の効果はわかりませんが(血尿は肉眼では確認無し)、今後も元フードに戻す事は無さそうなので、今回の記事内容とても参考になりました。ありがとうございます。またたまちゃんのエピソード聞かせて下さいね。
長文失礼しました。
コメントありがとうございます。ねこちゃんの症状がよくなって良かったですね!ロイカナ信者ではありませんが、愛猫のタマちゃんも肝臓が悪くなった時にお世話になりました。お腹の調子がすこぶるよくなり、それからロイカナメインにしています。フードは猫によって合う合わないがありますので、いろいろ試して1番調子が良いものを選ぶのがいいかと思います!