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猫エイズでも元気!愛猫の暮らしぶりを紹介します。

猫エイズでも元気!愛猫の暮らしぶりを紹介します。

猫エイズに感染してる愛猫「タマ」との暮らについて書いてみました。

猫エイズというだけで里親募集の障害になっていると聞いたので、愛猫の様子などを紹介し、少しでも多くの子が引き取られるきっかけになったら幸いです。

恐ろしい病気と誤解されがちですが、普通の猫とあまり寿命は変わらず「ただの可愛い猫ちゃんだよ」という事をお伝えしたいと思います。

タマ編集長

ワイは毎日元気に過ごしてるにゃん。「猫エイズ?なんだそりゃ?」って感じで、飼い主が忘れるくらいピンピンしてるにゃんよ。

猫エイズとはどんな病気なのか?

猫エイズとはどんな病気なのか?

猫エイズの正式名称は「猫後天性免疫不全症候群」と言い、猫免疫不全ウイルス(FIV)が原因で引き起こされる感染症です。

猫エイズを発症すると免疫力が低下し、通常では病気にならない病原体に反応する状態になるので、最終的にはウイルスや細菌・がん細胞などに体が負けて死に至ります。

ただ、猫エイズに感染したからといって必ず発症するわけではなく、無症状のまま一生を終える猫ちゃんも少なくありません。

発症しなければ普通の猫ちゃんの生活と変わらないです。

こんな風に呼ばれることも!
猫エイズという単語がよくないため、猫エイズや猫白血病ウィルスのキャリア猫達のことを、「りんご猫」と呼んだりします。

猫エイズのステージについて

【①急性期】
感染後2週以降にみられ、発熱・リンパ節腫大・下痢・周期性白血球減少症などの症状が1~2ヶ月持続する。(最長で1年程度持続する事もある)

【②無症状キャリア期】
この段階では猫自身の免疫でウイルスを抑え込んでいるので、何の症状も出ません。

【③持続性全身性リンパ節腫大(PGL)期】
無症状から発症期に向かう過程で全身のリンパ節の腫脹が見られるが、外見からの判断は難しい。(持続期間は2~4ヶ月と短く、すぐに明確な発症期に入る)

【④AIDS関連症候群(ARC)期】
原因不明発熱、体重減少、慢性口内炎、慢性上部気道疾患、慢性化膿性皮膚疾患など様々な慢性疾患の症状が見られるようになる。継続期間は1年程度だが、長期間生存することもある。

【⑤後天性免疫不全症候群 (AIDS)期】
最終の病期で、免疫力が落ちて病気などに対抗することができず死に至ります。(3か月以内には死亡する)

参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjea/13/2/13_145/_pdf/-char/ja

発症した場合の症状

猫エイズ(FIV)を発症すると免疫力が落ちるので、口内炎がなかなか治らなかったり、皮膚に異常が出たりします。

また、新たな赤血球を作り出せず貧血になったり、免疫力低下によってがん細胞が抑えきれなくなり腫瘍ができたりします。(がん細胞は体の中で日々生まれているが、通常は免疫力が抑え込んでくれている)

その他にも、元気がない・体重が減少するなどの症状が見られ、免疫機能が完全に失われると様々な病気になり命を落とします。

平均寿命

猫エイズに感染したからと言って、必ずしも寿命が短くなるわけではありません。

様々な論文を見ると、普通の猫ちゃんの寿命と大きく変わりませんでした。

アメリカ・カナダ・ドイツ・オーストラリアの調査では、猫エイズ(FIV)に感染した猫と未感染の猫の寿命を比べたところ、「生存率に大きな違いは見られない」と報告されている。

参考:ウィキペディア(猫後天性免疫不全症候群)

カナダ西部で1,205頭の猫を対象として行われた調査では、猫エイズに感染した58匹の猫と未感染の猫の生存率に大きな違いは見られなかった。

参考:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2822370/

オーストラリア国内での研究で、研究期間中に38匹のFIV感染猫と134匹の非感染猫が死亡した年齢および生存期間を調べたところ、生存期間に大きな差はなかった。

参考:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/jvim.12120

人間や他の動物に感染するのか?

人間や他の動物に猫エイズ(FIV)は感染しません。

猫に舐められたり噛まれたからといって感染することはないので安心してください。また、人間のエイズ(HIV)が猫に感染することもないです。

一般的に飼育されてる動物の中でエイズになるのは猫だけです。ちなみに犬にはエイズがありません。

猫エイズのウイルスは非常に弱いため、猫同士でも感染しにくい病気と言われています。

薬や治療法について

一度、猫エイズに感染してしまうと治療法はなく、完治することもありません。

※ウイルスの活性を抑える「インターフェロン」という治療もあるのですが、今のところ劇的な効果はないそうです。

発症後は、猫エイズ自体が病気を引き起こすわけではなく、免疫力低下に伴い様々な病気にかかりやすくなるため、症状によってそれぞれの治療を行います。

猫エイズの子を飼うのは大変?

猫エイズの子を飼うのは大変なのか?

猫エイズに感染してるからといって特別なことをする必要はありません。普通の猫と同じように飼うだけで大丈夫です。

猫エイズに感染してる我が家のタマちゃんは普通に暮らしており、食事なども普通のカリカリやウェットフードを食べさせています。(大好きなちゅーるもあげています)

タマは元々野良猫で、去勢しようと思って動物病院に連れて行ったら猫エイズだと分かりました。

この時はすでに3匹の猫がいたので、去勢したら元の場所に戻す予定だったのですが、まあ家にいたら愛着がわくものでそのまま飼ってしまったというパターンです。

家に来た時のタマの居場所は玄関にあるカゴの中で、他の3匹が追いかけまわすのでそこから一歩も出られませんでした。(ちょっと出ると他の猫がスッとんでくる)

ただ、そんな生活も数日で終わり、その後は大の仲良しに。

猫達はケンカすることもなく、タマは何されても怒らない温厚な猫です。他の猫も最初は追いかけ回していたけど、噛みついたり引っ掻いたりすることはなく、新参者への挨拶みたいなものでした。

ちょっと話がそれましたが、猫エイズだからといって特に飼うのが難しいわけではなく、ごく普通に暮らしています。

猫エイズの検査について

猫エイズの検査は血液を採取して行います。費用については4000円前後ですが、検査する時期については獣医さんと相談してください。(検査する時期によって正確な判断ができないため)

多頭飼いして他の猫に感染しなかったのか?

ちゃんと検査したわけではありませんが、他の猫が猫エイズにかかったような症状はなかったです。

猫エイズの感染ルートは

  • 流血するほどのケンカ
  • 交尾
  • 母子感染
  • グルーミング

この中で特に感染しやすいのが、流血するほどのケンカです。

猫エイズの感染力は低め
空気感染やトイレの共有で感染することはありません。交尾や猫エイズの母親からも必ず感染するとは限らず、グルーミングについても感染率は低いと言われています。

うちのタマは他の猫とケンカしたことがなく、噛みついたりはしません。ちょっかい出されてもすぐ逃げるので、たぶん感染していなかったと思います。

だからと言って、感染してる猫と未感染の猫を一緒にすることをすすめているわけではなく、できるなら一緒にしない方がいいですし、部屋を別けて生活させるのがベストです。

未感染の猫にワクチンを打って予防する方法もありますが、100%予防できるわけではないですし副作用(肉腫の発生など)のリスクもあるので、獣医さんと相談してみてください。

26匹の猫(内9匹が猫エイズキャリア)を10年観察したところ、激しいケンカはなく、グルーミングによって新たに6匹の感染が確認されたというデータがあります。

参考:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10811262/

今までにかかった病気や注意してること

タマを飼って12年になりますが、その間に病気らしいことは特にありません。

猫エイズとは関係ないですが、タマは目ヤニがよく出るので、家に来た当初は目薬で治療していました。ただ、あまりにも嫌がるので、今は何もせずティッシュで拭いてます。

注意してることはお風呂に入れない事ぐらいです。昔シャンプーしたあとに風邪を引いたので、それから洗うのをやめました。

補足

※猫は自分で体を舐めてキレイにするので、基本的にシャンプーは必要ありません。詳しくはこちらをご覧ください↓

猫のシャンプータオルは安全性が微妙?拭く頻度やおすすめ品は?猫のシャンプータオルは安全性が微妙?拭く頻度やおすすめ品は?

猫エイズの発症を下げる為にやってること

猫エイズに感染してるタマちゃんには、ストレスをかけないよう生活させてます。

ストレスがかかると免疫力が低下すると言われているので、適度に遊び自由に暮らせる環境作りが大切です。

だからといって極端なことはしておらず、ただ愛情をもって接しているだけです。その甲斐もあって9年間元気なのかもしれません。

あとは、毎日新鮮な水に取り替える、栄養バランスの良い食事、清潔なトイレ作りなども、猫エイズの発症リスクを下げることにつながります。

猫エイズに感染するのを防ぐには

猫エイズに感染するのを防ぐには

猫エイズの感染を防ぐのは簡単で、感染してる猫との接触を避ければいいだけです。

なので未感染の猫だけを室内飼いしてれば、感染することはありません。

感染リスクが高いのは外を自由に行き来する猫の場合で、特に去勢していないオス猫の感染率が高くなっています。

未去勢のオスは発情期に喧嘩しやすいので、外に出す場合は去勢しておいた方がいいでしょう。

あとは、ワクチンを打つ予防法もありますが、先ほど説明した通り100%防げるわけではなく、副作用のリスクもあるので、獣医さんと相談しながら決めてください。

猫エイズの感染率

日本で猫エイズにかかっている割合は10%~20%と言われています。特に野良猫の多くが感染してるそうなので、外に出すと感染率はおのずと高くなります。

まとめ

猫エイズ

猫エイズに感染していても、発症しなければ普通の猫を飼うのと何ら変わりません。

特別なことは一切必要なく、ストレスのない環境作りと愛情をもって接すればいいだけです。

平均寿命も未感染の猫と大差ないですし、猫エイズを発症しないまま天寿を全うする子もたくさんいます。

この記事を見て、猫エイズがそれほど恐ろしくない病気だと知っていただけたら幸いです。

参考論文:2020 AAFP Feline Retrovirus Testing and Management Guidelines

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