猫を飼っていれば一度は見るであろう「ご飯に砂をかける仕草」
「エア砂かけ」とも言われ、ご飯を食べる前や後に砂もないのに床をカキカキする行為。一体どんな意味があるのか?
現時点でこの行動の意味は解明されておらず、様々な推測だけが飛びかってます。
中でも「後で食べるからとっておこう」という仮説をよく目にしますが、野良猫などを調べるとこの線はなさそうです。
では、どんな理由があってご飯に砂をかける仕草をするのか?
様々な推測と私なりに最も有力だと思う説について書いてみました。
猫がご飯の周りをかくのは敵にバレないための本能!
猫がご飯の周りをかく行為は「自然界で天敵に近づかれないようにするため」かなと私は思います。
砂をかける行為はウンチやオシッコした時に行いますが、これはニオイを消し敵にバレないようにするためと言われてます。(これも仮説なので証明はされていません)
食べ残したご飯はニオイを発するので、その痕跡があると自然界では敵に居場所がバレやすくなる。そのため排泄物と同様に隠したがるというのが、最もな理由だと思われます。
ただ、猫がご飯に砂をかける仕草については様々なパターンがあり、敵にバレないためという理由を否定する行動もみられます。
では、他にどんな推測や床をかくパターンがあるのか?信憑性があるかも含め、様々な仮説を説明いたします。
食べ残しを取っておく説はちょっと違う
食べ残したご飯に砂をかけて隠すのは「後で食べるから」という仮説があります。
猫はムラ食いしやすい動物なので”後で食べるため取っておく行為”も分からなくないのですが、この仮説の信憑性はちょっと微妙です。
と言うのも、野良猫が食べ残したご飯を砂に埋めて後で食べるか調べたところ、そのような行動は見つかりませんでした。
猫がムラ食いする理由についても、小さな小動物(ネズミ)1匹から得られるエネルギーが少ないため、何匹も食べる必要があったことがムラ食いする理由だそうです。(解明はされていません)
じゃあ、なんで「砂をかけといて後で食べる」という仮説があるのか?
おそらくですが、他のネコ科の動物(ボブキャットとヒョウ)に食べきれなかった餌を隠して後で食べる行動があるので、それを参考に推測したと思われます。(発信源はわかりません)
ボブキャットは食べきれなかった餌を雪や葉の下に隠し、後で食べることが稀にあるそうです。ヒョウは捕まえた獲物を木の上で食事し、食べ残しはそのまま貯蔵します。
ちなみに、家猫の祖先「リビアヤマネコ」が、食べ残した餌を貯蔵する習性はありません。
ボブキャットやヒョウは系統学的にリビアヤマネコとはかなり離れているので、家猫が「後で食べるから砂をかけておこう」という仮説の信憑性は低いでしょう。
このご飯は嫌いだから食べない説
出されたご飯を食べず、食器の周りをカキカキする猫ちゃんもいます。
推測としては、お腹が空いてなければ猫はムリに食べようとしないので、天敵に居場所を知られないようご飯を隠したいのかもしれません。
あとは、砂をかける仕草をしたら飼い主が好きなご飯をくれたのを覚えいて、このような行動に出るなどの仮説もあります。
他にも、猫はその時に必要な栄養を体が欲しがるので、「そのご飯からじゃ栄養は摂れない。食べないから隠しておこう」という意味かもしれません。(例えば体にあわない餌だとか)
猫には優れた能力があるので、その理由を知れば「栄養が摂れないからいらない」という推測も納得できます↓
ペットの栄養や健康などを専門的に研究する「ウォルサム研究所」が、猫は自分で栄養バランスを考えながらエサを食べることができるという事を明らかにしています。
猫は食事から摂取するタンパク質の割合を50%くらいに落ち着くよう調整しており、タンパク質含有量が少ない食事だと空腹を選ぶこともあるようです。
参考:研究論文はこちら
ご飯を食べずに床をかく行動が頻繁にあるなら食事が合っていない可能性もあるので、他のフードを検討してみるといいかもしれません。
食事以外の何かが気に入らない説
食事ではなくエサ周りの何かが気に入らなくて、床をかく事もあるようです。
あるお宅では食器が動かないよう滑り止めマットを引くようにしたら、食べてる最中や食べ終わった後に砂をかく仕草をするようになりました。
滑り止めマットをカキカキされると食器や水を飲むお皿がひっくり返るので、仕方なくマットを外したらピタッとやめたそうです。
もしかしたらマットの匂いがご飯に似ていて、それをエサと勘違いしてカキカキしていたのかもしれませんが、食べてる最中にもエア砂かけしてたとなると、この行動の意味についてはよく分かりません。
とにかく、ご飯以外の何かが気に入らない場合にも、床をかくことがあるようです。
ウンチと間違えて床をカキカキしてる説
猫の排泄物には少なからず未消化の餌が含まれており、そのニオイとご飯のニオイを間違えてカキカキしてるという推測もあります。
排泄物を隠す行為は猫の本能なので、ウンチのニオイに似ていると無性にカキカキしたくなるのかもしれません。
ちなみにエア砂かけをする仕草は、食べ残しのご飯にすることが多いようですが、完食したお皿でもカキカキすることがあります。お皿にニオイが残っていて、それを隠したいのかもしれません。
他にも食べてる最中にカキカキして、またご飯を食べる猫(うちの猫)もいます。
好きなご飯を食べてるのに、途中でエア砂かけする猫↓
かきかきしたあとは😏 pic.twitter.com/PtxbmEGdI8
— ネコビュー🐱 (@nekoview) January 14, 2020
これは私の推測ですが、食べている最中にカキカキするのは「そろそろお腹いっぱいだニャ。カキカキ。でも美味しいからもうちょっと食べよう。モグモグ」なのかなと思いました。
まとめ
猫がご飯にエア砂かけする行動を調べると様々なパターンがあり面白いです。
- ご飯を食べずにエア砂かけする
- ご飯を食べている最中にエア砂かけする
- 残したご飯にエア砂かけする
- 完食したお皿にエア砂かけする