肉食動物の猫は狩りをしてネズミや鳥を食べていた為、生肉を食べることに問題はありません。
ではスーパーで売られている生の牛や豚、鶏肉などは食べさせても大丈夫なのか?
結論から言うと人間でも食べられる生肉なら安全です。
鶏肉も基本大丈夫でして、豚肉はやめといた方がいいでしょう。(少し食べたくらいなら特に問題ないと思いますが体調が悪そうなら動物病院へ)
ここからは実際にスーパーで売られている生肉を食べさせた様子、生肉を猫に食べさせるメリットやデメリットなどまとめたのでご覧ください。
目次
猫にスーパーの生肉を食べさせてみた!
愛猫のタマちゃんにスーパーで売られている生の鶏ささみを食べさせたこともありますが、体調が悪くなったことはありません。
ただ、ガッツくほど好きではなく、差し出した時に食べたり食べなかったりします。
ちなみに友人宅の猫2匹は生肉が大好きです。
下の写真は牛肉を前に興奮する猫ちゃん↓
部屋に入れると、あっと言う間に食べちゃいました↓
もう1匹の猫ちゃんもすごい勢いで完食しました↓
知り合いの家は肉や魚、米や卵・野菜・キノコといった、その日によって様々な具材を鍋で煮た手作り食を与えています。
水も沢山いれるため、2匹とも毛艶が良くとっても元気です。
ちなみに1匹の猫(ベンガル)は腎不全ステージ3ですが、手作り食のおかげなのか診断から4年間なんともありません。腎不全とは思えない毛艶の良さです↓
ちなみに生肉を食べて体調を崩したことはないとのこと。
食べさせる肉は牛と鶏がメインですが、鹿・馬・ラム・カンガルーも食べさせたことがあると言ってました。
猫に生肉を食べさせても危険じゃないの?
生肉を食べることで寄生虫や細菌に感染し健康被害を及ぼす可能性もありますが、猫は胃酸がとても強く、細菌が付着した肉を食べても体調を崩すケースは少ないそうです。
「買ってきた生の豚肉を猫ちゃんが食べてしまった」なんて事もありますが、特に問題ないケースが多いみたいです。様子を見て体調が悪いなら動物病院に行った方がいいですが、大抵は何事もなくケロッとしています。
例えば人間の食中毒でよく騒がれる「カンピロバクター菌」は、牛や豚・特に鶏肉に多く付着してますが、猫のお腹に入っても無症状な場合が多いです。
サルモネラ菌についても猫が感染してもほとんどが症状を示しません。
寄生虫についてはトキソプラズマ(原虫)に感染すると危ないと騒ぐ人もいますが、健康な猫なら無症状の場合がほとんどだそうです。
ただし、免疫力が弱くなっている子猫や老猫は下痢や嘔吐・その他の症状が出る可能性があります。
他にも、牛肉や鶏肉がアレルギーな猫もいますので、食べさせるなら少量ずつ与えて様子を見た方がいいでしょう。(ラム肉やウサギ肉など、他の肉がアレルギーの場合もあります)
猫に生肉を食べさせるメリットは?
猫に生肉を食べさせるメリットを調べたのですが、実験を行った研究データは見つかりませんでした。
なので、実際に生肉を食べさせている飼い主さん・ブリーダーさんが感じたメリットを紹介します↓
- ドライフードだけの時より元気になった
- 毛艶が良くなった
- ウンチの量が減った
必ずしもこれらのメリットがあるかは分かりませんが、猫に生肉を食べさせて調子が良くなったと言う声は多いです。
特に参考になったのがベンガルのブリーダーを行っている「リアルキャット」さんの記事(現在はサイトが閉鎖しています)。
生肉オンリーの食事効果をこのように語っています↓
- ベンガルの親猫150匹に毎食「生肉」を食べさせているが7年間病気はない
- ドライフードを食べさせていた時は、毎年1~2割の親猫が尿路結石や膀胱炎になっていた
- 生肉を食べさせてから毛艶が良くなった
- ウンチの量が減り臭いが減った
- 生まれてくる子猫の死亡率が減り出生率が上がった
- 子猫を購入したお客さんに「生肉」をすすめた所、子猫の病気の相談が1/10に減った
※食べせている生肉は、国産の生鶏肉(ムネ、ササミ、ハツ、スナギモ、手羽先)
生肉は水分量がドライフードに比べ多いため、猫が患いやすい尿路系の病気の予防に適しています。あとは消化吸収しやすいせいか、ウンチの量が減ったりニオイが抑えられているのかもしれません。
どれが良いかは猫によってことなりますが、鶏や馬の生肉を食べさせている人が多かったです。猫用に生肉を販売してる通販サイトを見ると、牛・鶏・馬・鹿・羊・カンガルーといった種類がありました。
腎不全の猫にも生肉はいいのか?
研究データがないため何とも言えませんが、個人的には良いのかなと思っています。
と言うのも先ほど言いました通り生肉は水分量が豊富です。ドライフードは水分量が10%に対して、生肉は約75%が水分と言われています。
腎不全の猫はとにかく水分を補うことが重要ですし、ステージ3の腎不全猫を数年飼っている友人の猫も水分が豊富な食事を与えているため元気なのかもしれません。
腎不全の猫に生肉を与えて元気になるという科学的な根拠はありません。獣医さんの支持に従って過ごした方が長生きする可能性もあります。
猫の食事を生肉にする注意点
- 猫から人へ細菌や寄生虫の感染リスクがある
- 特定の生肉(部位)だけだと栄養が偏る
猫から人へ細菌や寄生虫の感染リスク
猫が「カンピロバクター菌」や「サルモネラ菌」がついた生肉を食べたあと、飼い主がキスしたり舐められた手を洗わず食べ物を触り口にすると、細菌に感染し食中毒を起こす可能性はあります。
寄生虫のトキソプラズマについては健康な人なら感染しても特に症状は出ませんが、妊婦に感染すると胎児に影響が出る場合があるので注意しなければなりません。
お年寄り、新生児、妊婦など、免疫力が低下している人がいるなら生肉への取り扱いは気を付けてください。
特定の生肉(部位)だけだと栄養が偏る
例えば「鶏のもも肉だけ食べさせている」なんてことを続けると、栄養の片寄りで体調を崩す可能性があります。
自然界で生きていた時はネズミや鳥を丸ごと食べており、肉だけでなく臓器などからも栄養を補っていました。他にも昆虫を食べたり特定部位の肉だけで生きていたわけではありません。
猫の体には調整機能が備わっているので足りない栄養は体の中で作りだせますが、全ての栄養が作れるわけではなく食事から摂らなければいけない栄養素もあります。
生肉メインの食事にするなら、猫に必要な栄養学や手作り食の本など見ておくことをおすすめします。
猫の栄養学を学ぶなら獣医さんが書いた「愛猫のための症状・目的別・栄養辞典」がおすすめ↓
まとめ
100%安全とは言えませんがネットの口コミや知り合いの実体験からすると、スーパーで売ってる生肉を猫に食べさせても問題なさそうです。
我が家では生の鶏肉(ささみ)、知り合いは牛や鶏の生肉を食べさせたりしましたが、体調を崩したことはありません。
スーパーで売っているお肉なので基本は過熱した方が安心ですが、胃酸が強い猫ちゃんにとっては特に問題ないのかなと思いました。
安全に生肉を食べさたいなら
「猫に生肉を食べさせたいけど安全な物にしたい」というなら、人が食べても大丈夫な生肉にしてください。
先ほど紹介した「猫の栄養&手作り食の本」にも書いてあるのですが、人間が生でも食べられるかを基準にレシピが書かれています。
科学的にも猫に生肉を食べさせるメリットは証明されておらず、どちらかというと人と猫の両方に危険を及ぼす可能性があるため心配なら人が生食できる肉の方が安心です。
スーパーだと生で食べられるお肉は少ないため、ネットで購入するか信頼できる精肉店に相談してみてください。
楽天やアマゾンなどで「猫 生肉」で検索すると色々出てきます↓