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余計な治療をしない獣医さんに猫にワクチンは必要なのか聞いてきた。

余計な治療をしない獣医さんに猫にワクチンは必要なのか聞いてきた。

ウイルスの感染を防ぐため、猫ちゃんには1年に1回のワクチン接種が推奨されていますが、我が家のタマは保護した時に打ったきりです。

過去に飼っていた猫もワクチンを何度か接種しただけでこれといった病気もなく、知り合いと「特に必要ないのかな?どれだけ重要なんだろう?」という話になりました。

そんな中、知り合いが保護した子猫の目ヤニが酷くなり、ちょうどワクチンを接種する時期と重なった為、診察のついでに聞いてきました。

普通の獣医さんなら商売でもあるので当然勧めてくると思いますが、今回行く動物病院の先生はちょっと変わっていて、常に猫ファーストで余計な治療をしたがりません。(お金を稼ぐ気配がみられない)

近所でも評判がよく「猫ちゃんがストレスを感じるならあまり動物病院に来ない方がいいよ」的な人です。

そんな獣医さんから聞いた「ワクチンの必要性」についてまとめたので参考にしてみてください。

猫にワクチンは必要ない?ある?

猫にワクチンは必要ない?ある?

獣医さんから聞いた話をまとめると

  • 子猫には絶対接種した方がいい
  • 室内飼いで他の野良猫と接触しない成猫なら3年に1回でいいと思う
  • 外に出したり野良猫と接触する機会(保護するなど)が多いなら1年に1回がいいかも

とのことでした。

子猫にはワクチンが絶対に必要

子猫にはワクチンが絶対に必要

余計な治療をしたがらない獣医さんが「絶対に必要」と言うくらいなので、子猫を拾ったら必ずワクチンを接種した方がいいでしょう。

なんでも「猫パルボウイルス感染症」が怖いらしく、これに感染すると子猫は死亡する確率が高いそうです。

猫パルボウイルス感染症とは

別名「猫汎白血球減少症」「猫ウイルス性腸炎」とも呼ばれています。感染力が非常に強く、激しい嘔吐や下痢、高熱などの症状が出て子猫は重症化しやすい感染症です。マリオン諸島で増えすぎた猫を減らすためにパルボウイルスが使われ、3,405匹いた猫は1年半で半分近くにまで減少したそうです。

その他のウイルスについても子猫は成猫より重症化しやすいため、ワクチンは必ず接種しておくようにと言われました。

成猫については環境による

成猫にワクチンは必要なのか

外に出る事があったり野良猫と接触する(保護する)機会が多いなら、「1年に1回接種した方がいいと思うけど3年に1回でも良いかもね」と言われました。

完全室内飼いで他の猫と接触する機会がないなら「打たなくて問題ないことも多いけど3年に1回はやっておいた方が安心だと思う」と言うニュアンスで飼い主が自己判断してとの事です。

住んでいる地域で感染率が変わるかも

室内飼いでウイルスに感染する経路は、飼い主が野良猫に触ったり嘔吐や排泄物を踏んで持ち込むパターンです。住んでいる地域にウイルスに感染している猫が多かったり、野良猫に触る機会が増えれば感染リスクも高まります。

ワクチンで予防できる感染症

ワクチンで予防できる猫のウイルス感染症

ワクチンを接種すればウイルスを完全に防げるわけではありません。感染率を下げる(または重症化を防ぐ)のが目的となります。

ワクチンには単体と3~5種の混合があり、室内飼いで他の猫との接触がなければ3種混合、そうでなければ5種混合の接種が望ましいですが、ここは獣医さんと相談しながら決めてください。

予防できる感染症とワクチンの混合種類はこちら↓

感染症名 3種 4種 5種 単体
猫ウイルス性鼻気管炎
猫カリシウイルス感染症
猫汎白血球減少症
猫クラミジア感染症
猫白血病ウイルス感染症
猫エイズウイルス感染症

各ウイルスの詳細については外部サイト「子猫のへや:猫のワクチン接種完全ガイド」から個別のページにアクセスして確認できます。

ちなみにですが、我が家のタマちゃんは「猫エイズウイルス感染症」キャリアです。エイズと聞くと恐ろしい病気と思いますが、発症しなければ普通の猫と寿命はほぼ変わりません。

猫エイズでも元気!愛猫の暮らしぶりを紹介します。猫エイズでも元気!愛猫の暮らしぶりを紹介します。

ワクチンを接種する頻度と時期

猫にワクチンを接種する頻度と時期

ワクチンを打つ頻度や時期について子猫の場合は決まっていますが、成猫は3年か1年かで獣医さんの意見が分かれます。

その辺の話を詳しく調べたのでご覧ください。

子猫は初年度に2回接種する

子猫は初年度に2回ワクチンを接種する

子猫だと生後2ヶ月頃に1回、その1ヶ月後にもう1度ワクチンを接種させます。

母猫から初乳経由で受け取った期間限定の免疫力が2ヶ月前後で切れるので、そのタイミングでワクチンを打ちます。

さらに1ヶ月後(生後3か月目)と早い間隔でもう1度打つ理由は、子猫だと抗体ができづらいからだそうです。

母親の初乳を飲んでいない子猫の場合は、副作用や個体差を考慮し、6週齢頃からスタートするのが一般的とのことですが、かかりつけの獣医さんと相談しながら決めてください。

成猫の場合は3年か1年に1回

成猫のワクチン頻度

成猫のワクチンは毎年接種が望ましいとされていますが、この頻度は見直すべきでは?という獣医さんもいます。

これについて詳しく調べたところ、どうも3年くらい抗体が維持されているので毎年は多すぎるということらしいです。

他にもワクチンによる副作用の危険性や期待通りの感染防御能を示さないこともあることから、「3年に1回でいいのでは?」と言う声もありました。

実際、欧米では3年間の抗体維持が認められているワクチンがあります。(そうでないワクチンについても欧米では3年に1回の頻度です)

世界的にもワクチンの接種は3年に1回が標準化されつつあるので、毎年は必要ないのかもしれません。

まなび野動物病院のブログに、欧米と日本のワクチン接種回数の違いについて説明されているのが面白かったです→日本のペットはワクチン接種が多すぎる

ワクチン接種の頻度についてこんな意見もある

日本は欧米に比べワクチン接種率が極端に低いため、毎年の頻度が推奨されているという意見もあるようです。2015年のデータでは日本の猫のワクチン接種率が10%、アメリカでは75%となっています。

日本の猫のワクチン接種率

参考:いぬねこワクチン

猫にワクチンを打ってきた

猫にワクチンを打ってきた様子

生後2ヶ月の子猫にワクチンを打ってきました。

今回接種したのはノビバックTRICATの3種混合生ワクチンです。

※猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症及び猫汎白血球減少症の予防ができます。

5種混合ワクチンでなくていいのか聞いたところ、生後半年過ぎるまでは基本的に3種混合でいいそうです。ちなみに、5種混合を接種する場合は血液検査が必要になり余分に費用がかかると言われました。

子猫 ワクチン 接種様子

ワクチンの接種は首後ろに注射を打つだけなのですぐ終わります。

次は1ヶ月後になり、そのワクチンを打てば初年度の予防は終了です。

帰宅してから注意することはあるか聞いたところ、いつも通りで構わないと言われました。安静にした方がいいけど、無理に閉じ込めるとストレスにもなるから特に変わったことはしなくていいそうです。

※一応、激しい運動やシャンプーは控えてください。

副作用はなかったか?

副作用はみられず、いつも通り元気にはしゃぎまくり食欲も旺盛でした。

ワクチンを打つと元気がなくなることもあるようですが、一時的(2日くらい)なので特に気にしなくていいそうです。

どんな症状があったら危ないですか?と聞いたところ、顔が腫れてきたらすぐ連れてきてと言われました。(2倍くらい腫れるからすぐ分かるらしい)

顔が腫れたらアナフィラキシー反応と言われるショック状態なので、ステロイドの注射をして抑えるそうです。ただ、副作用が出るのは稀だと言っていました。

獣医さんからの一言

「猫だと稀に副作用が出るくらいなので、ほとんど心配しなくていいよ」とのことです。

ワクチンの費用はいくら?

3種混合ワクチンで2700円(診察料は無料)でした。他の動物病院に比べると安いと思います。

一般的には3種混合で4000円前後、5種混合で6000円前後が相場で、診察料も1000円くらい掛かる所が多いです。

まとめ

猫にワクチンは絶対必要ではないけど打った方が安心ではある

「子猫にはワクチンが絶対に必要だけど、成猫は環境によって飼い主さんの自己判断」と言うのが今回の話のまとめです。

室内飼いで他の猫との接触がなければ100%ではないが感染症は防げるそうなので、はじめに何回か打ったら後は必要ないのかなと私は思いました。

ただし、世界的には3年に1回のワクチン接種を推奨しています。万が一のことを考えるなら打っておいた方が安心です。

副作用のリスク(ごく稀に起こるレベルなので基本問題ない)、病院に行くことへのストレス、住んでいる環境(外に出したり他の猫との接触がある)などを考慮しながらワクチンが必要かを考えればいいかと思います。

※猫にワクチンを接種させる義務はありません。できれば受けることが望ましい「努力義務」とされています。

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